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切る、折る、貼るのテクニックを動画にまとめてみました!
→YouTube
●ダンボールの種類
ダンボールには種類がいくつかあります。

○ダンボールの厚み
まず見てすぐにわかるのは厚み。一般的に手に入りやすいのは、
約5mm(Aフルート)
約3mm(Bフルート)
約1.5mm(Eフルート)の三種類です。それ以外にも、二枚を貼りあわせたものやもっと薄いものなど、たくさんの種類がありますよ。
○ダンボールの構造
よく見かけるのは表裏の紙で中央のなみなみ(フルート)をサンドイッチしたタイプですね。そのなみなみには方向があるために、結果としてダンボールには流れ目方向によるタテとヨコの区別があります。
それ以外にも片面にしか紙の貼っていない片ダンボールと呼ばれるものもあって、流れ目方向に対して平行にクルクルとまるめることができます。
←写真は上が流れ目に直交して切ったもの、
下が流れ目に平行に切ったものです。
○ダンボールの色
手に入りやすいのは、茶色(クラフト色)と白色のもの。白色といっても、片面のみ白い紙が貼ってあるものが多いのです。
クラフト色は「ダンボール色」なんて呼ばれたりもしますが、よく見るとこのクラフト色にも微妙に色の変化があります。赤っぽかったり黄色っぽかったり。一般的には赤みが強い方が強度のあるダンボールだったりするのですが、どっちにしても太陽に長期間当てたりするとどんどん退色していきます。
←写真は左がちょっと赤いもの、右がちょっと黄色いものです。差があるといってもこの程度なんですが。

○ダンボールの強度
同じ厚みのダンボールであっても、じつは強度による区別があるのです。よく見かけるのはちょっと弱いC列と、ちょっと固いK列。といっても見かけだけではわかりにくいので、購入するときはお店で確認したほうがいいですよ。
一般的には、弱いシートほど色が浅く、切ったときに紙粉が出やすい傾向があると思います。指で表面を押すと凹みやすかったりも。インテリアで使うなら、なるべく強度のあるものを使用するほうが安心です。

○ダンボールの表と裏
じつはダンボールには表と裏の区別があるのです。
シートをよく見ると、表面のしま模様が目立つほうと目立たないほうがあることがわかります。
なぜかダンボールはしま模様のイメージが強くて、しまの目立つほうが表だと思われていますが、やっぱり目立たないほうが表なのです。というわけで、インテリアとして使うなら目立たないほうが表にくるように使いましょう。美しいダンボールシートを使って組み立てたものは、木製品にもひけをとりません。たぶん。

←写真は左が表、右が裏になっています。

●ダンボールはどうやって手に入れる
?

ものすごくよく聞かれるんですが、こんな質問。「スーパーの裏に積んであるダンボール箱をもらってきて作れないんですか?」って。
いや作れますよ。ただ、小さいものを作ってるつもりでも、その展開図となるとビックリするほど大きくなるのです。たとえば30cm四方の箱を作るとしたら、展開図は120cm以上のダンボールが必要になる大きさです。それだけの大きさで、かつ印刷も折り目も入っていないダンボールとなると、スーパーの裏ではもはや見つけることができません。
というわけで、いっそのこと買ってしまう手があります。それなら必要な大きさで、必要な厚みや強度や色を指定して手に入れることができますよ。

実店舗であれば、東急ハンズにある可能性はあります。支店により取り扱いは異なるようですが・・取り扱っているかどうか、また希望される厚みや大きさの在庫があるかどうかはあらかじめお問い合わせしていただく方が安心です。

意外とご近所で手に入る可能性もあります。よく町の小さな工場で、ダンボールの箱を切って組み立てているところがありますよね。
Yahoo!電話帳→「ダンボール」 
ご近所での工場を検索されて、このようなところで直接お願いしてみると、箱に加工する前のダンボールシートを案外あっさりと小売していただける場合があります。ただ本来は小売をされていないところがほとんどですから、お願いしてわけてもらうようにしてください。
大きさや厚みの在庫があるかどうかはその時々による場合が多いようです。(もちろん断られることもありますが・・)

インターネットで見積もりをしてもらい、購入する方法もあります。たくさんの会社が対応されていますから、ネットでご近所を検索されるのが一番送料も安くつくかと思います。
ネットで検索する場合には、「ダンボールシート 購入 販売」などとするよりも、ずばり「板ダンボール」とするほうが、ヒット率は高くなります。どうやら業界では、ダンボールシートは板と呼ぶのが一般呼称なのかもしれません。

たとえば、こちらのサイトでは、
段ボール板専用お見積もり「スパッとパット」 (箱職人のアースダンボールさん)
サイト上で大きさや厚み、数量や地域を入力すれば、ワンクリックで送料も含めた価格を表示してもらえます。あと何枚足せば、どれくらい安くなるのかまでわかってしまいます。もちろん注文も可能です。

たいていのメーカーサイトさんでは、メールや電話にて必要な厚みや大きさを伝え、見積もりをいただいて入金したのちに発送、という順序になりますから、在庫や納期を含め、確認された方がいいと思います。購入数量が少なくても親切に対応していただける店舗で購入される方が安心です。
●必要な道具について
キレイでかつ正確につくろうと思ったら、いくつか特殊(?)な道具があったほうがいいと思います。

○カッターナイフ
通常の小型のもので十分です。きっと家に一本はありますよね。できればスライド式のものよりも、ネジ式でしっかり止まるものの方が安心ですが、刃の出し入れがちょっと面倒なんですよね・・・とにかくケガをしないように使いましょう!
○カッターの替え刃
とにかくキレイに切るためには、ひたすらバキバキ刃を折って使用してください。もう5分に一回とか、数十センチ切ったらとか、そんなレベルで。切れなくなる前に折っておくことがとっても大事です。ストレスなく折るためには、ちゃんとした「カッターの刃を折る道具」を揃えてもいいですね。
ステンレス製などの材質の違いや、30度刃などの刃先の違いなど、いくつか種類がありますが、よく切れれば切れるほど余計な力が不要なのでより安全だと思います。
○サークルカッター
円を切り抜くための道具なんですが、特殊なようで実は探すといろんなとこで売ってますよ。ただし使うのはちょっとコツが必要で、はっきり言って難しい道具だと思います。でも死ぬほど便利なんですけど。コツはいかに力をいれずにかつ均等な力で回せるか、ですね。垂直を保つのも重要です。その状態で何十回と回して、ちょっとずつ深く切っていきます。慣れないうちは表から半分、裏にひっくり返して残り半分を切った方がうまくいきます。
○カッティングマット
傷ついてもいい机とか床がある家って多分あんまりないと思いますから、きっと買っといたほうがいいですよ。デカければデカいほど作業はしやすいと思いますが、とりあえずならA3版が一枚あるといいと思います。表面に目盛りが打ってあるものも多いので、直角に切るときのガイドにもなって便利。

○直尺(金尺ともいう)
金属製の定規なんですが、できればアルミ製よりもステンレス製のほうがいいと思います。プラスチック製だと定規のほうがカッターで切れてしまうことがあります。
長さは各種あるのですが、とりあえずなら30cm、買い足すのなら15cmと60cmの計3本あると作業がしやすいです。
実は直線を切るときだけじゃなくて、ダンボールに折り目をつけるときにも使います。ペーパークラフトだとこういう使い方はしないので、ダンボール独特だと思いますがじつは我流。
○木工用ボンド
普通の木工用ボンドが一番よく接着できるのです。
速乾性と通常のものがありますが、通常のもので十分ですよ。なるべくうすく均等にのばして接着します。ひろげるのに爪楊枝とかあると便利ですよね。

○鉄筆
これがいちばん耳慣れない名前の道具なのではないでしょうか。ペーパークラフトあたりではかならず必要な道具なんですけど。
ダンボールに折り目をつける際に使用します。まずはこれで型紙の上から折り筋をつけます。ダンボールではそれだけだと弱いので、そのあと金尺で押さえ込むのです。
インクの出ないボールペンでも代用できますが、インクの出ないボールペンを常備してる家ってそうないですよね・・・。
○ポンチとゴムハンマー
パンチじゃなくてポンチですよ。あれです、ベルトに穴をあけたりする道具。ダンボールにも使えます。
ゴムハンマーでガンッ!とたたいて穴を開けます。いろんな直径のものが市販されていますから、デザインに合わせて選んでください。
といいながら、実はあまり大きな直径だとダンボールを打ち抜くことはできません。たぶん直径9mmくらいが限界だと思います。小さければ小さいほど抜きやすくなります。なので3mm,6mm,9mm,の3本程度あるといいですね。
●型紙をまずは印刷しましょう。

マゴクラで紹介している展開図はちょいとデカいんですが、最近のプリンタでは、たとえばポスター分割機能、なんてものがあるらしいですから、A4サイズプリンタしかなくてもつなぎ合わせて型紙を製作できますよ。きっと。

●型紙はどこに貼る?

マゴクラで紹介している展開図は基本的に、ダンボールの表から見た図を作図してあります。ということは、山折りは表から見て山折りになり、谷折りもそうですね。
ではあるのですが、型紙はダンボールの裏に貼ったほうがいろいろと都合がいいのです。裏に型紙を貼ると、
@型紙を貼った接着部分が目立たなくてすむ
A表からみて山折りの場合、裏から折り筋引きをしないといけないけれど、裏に型紙を貼ればその線を直接なぞれる
B裏から切ったほうが、表から見て切断面が美しい
・・・なんて理由があるのです。
難点としては、完成した場合に左右が逆になってしまうことですね。というわけで、左右が逆になると困る作品の場合には、この方法は使えません。あきらめて表に貼りましょう。

●型紙を貼ります。

というわけで、一般的な裏に型紙を貼る方法で紹介します。
まずは型紙の流れ目方向を確認して、ダンボールシートの流れ目方向と一致しているかどうかを確認します。これを間違うとうまくいきません。
型紙の裏面にちびっとボンドか両面テープを貼って、ダンボールシートの裏面に固定します。最低二箇所あればずれることはありません。後からはがすことを考えて、最小限にとどめましょう。型紙は裏に貼る。これがポイントです。
●ダンボールをきれいに切るには?

裏面に貼った型紙の切り取り線にあわせて、直尺とカッターナイフで切断していきます。キレイに切るためには、とにかく
・力をいれず
・角度を常に一定に保ち
・端から端までおなじ角度と圧力で
・4,5回にわけて切断する
ことが重要です。決して一度で切らないことです。
どうして?って良く聞かれるのですが、この方法がもっとも美しく、かつケガをしない切断方法だと思いますよ。

もうひとつ、カッターナイフの切れ味を保つために、とにかくマメに刃を折ってくださいな。これってとっても重要です。
●切断する順序

まずはざっくり大まかに輪郭に沿って切断してしまいましょう。

そのあとは、細部を切断していきます。5mm以下の切り取り線なら、直尺がなくても大丈夫でしょう。
短い切り取り線は、両端部まで
きっちり切断するために、まずは
いちばん端に突き刺して・・・
→そのままエイッ!とカッターを直角に起こすようにして切断します。これは一回で切断してかまいません。というかそのほうがやりやすいと思います。

向きを変えて両端から切断する方法もありますが、裏面(というか表なんですが)で切断線が一致しないのであんまりおすすめしません。

美しい切り口は、切断面が毛羽立つことなく、フルートのなみなみがそのまま現れます。

すべての断面線を切断すれば、カッターを使う作業は終了です。
●ダンボールをキレイに折るには?

ダンボールはイメージよりも固い素材です。そのくせ、思わぬところで折れてしまったりもします。
通常ダンボールは、内部のなみなみ(フルート)の流れ目と平行方向には折りやすく、直行方向には折れにくくなります。ただし、折ったあとの強度は直交方向のほうが強くなり、また折った際の美しさも直交方向のほうが上なのです。設計をする際には、目の方向を吟味しながら行うことになりますね。ここんとこが設計で楽しい点でもあります。

まずは型紙の上から山折り線に沿って、鉄筆でなぞります。穴を開けないように十分寝かせて使ってください。
谷折り線だけは裏面からなぞれないので、表面にかえして鉄筆で折り線を引きます。

ペーパークラフトではこの鉄筆作業で折り線引きは終了なのですが、ダンボールは固いため、また強く鉄筆でなぞるとシートに穴があいてしまうため、鉄筆はキズをつける程度でかまいません。このあと、本格的に折り線(罫線と呼びます)をつけていきます。
鉄筆ですべて折り線を引いたら、その上から直尺を強く押し当てます。この作業が完成度を左右してしまいます。もうこれでもか!っていうくらい思い切り押し付けましょう。
長い折り線は直尺の長手方向で、短い折線は直尺の小口を使って押し付けます。もうシートが反り返るくらいに。
すべての折り線を付け終わったら、型紙を丁寧にはがします。
この時点で、くっきりと罫線が出ているはずです。
組立前に、すべての折り目に折りクセをつけておきます。ダンボールは固いので、組み立てながらでは折れない箇所が出てきますよ。
ゆっくりと全体に均等に力をいれて折り曲げていきます。一箇所に集中して力を入れると予期せぬところで折れてしまいますよ。
90度に曲げたい箇所では、120度程度まで曲げておいたほうがしっかりクセがついて安心です。

全ての箇所をしっかり曲げたら、「曲げ」の作業は終了です。
組み立て方といっても、個々の組み立て方法はそれぞれの作品で紹介していますから、それを参考に組み立ててみてくださいな。

というわけで、ここでは設計するときの話もちょいとしておこうと思います。
基本的にはペーパークラフトだと思うのですが、ペーパークラフトと決定的に違うのは、「ダンボールには厚みがある」っていうことですね。
たとえば、左の図の左側のような展開図では、ダンボールを組むことはできません。右側のように、必ず厚みぶん逃げておかないと、ダンボールで箱を組むことはできないのです。
たとえばこんな感じ。
ダンボール一枚の厚み分だけ、折り目が逃げていることがわかります。
そういう目で周りにあるダンボール箱を一度見てみてください。かならず厚みぶん逃げて設計してあることがわかりますよ。

その基本さえ押さえていれば、あとはどんな複雑な箱組みであってもなんとかなります。きっと。

もうひとつ、ダンボールには内部のなみなみ(フルート)の流れ目方向があります。「折りかた」の項目で詳しく書きましたが、この流れ目方向を読むのも設計のポイントですね。タテとヨコを間違っただけで出来上がりの強度と折り目の美しさは劇的に変化してしまいます。そこが設計の楽しい点でもあるのですが。

というわけで、最近のマゴクラ作品は箱組みで設計しているものが圧倒的に多いのですが、ちょっと前までは箱組みではなく、こんな方法もやっていました。この方法は箱組みよりもずっと鋭く角が出せる方法でもあります。サイトで紹介している作品の中には、この方法で製作を紹介しているものもまだいくつか残っています。
↓こんな方法ですよ!↓

・貼りあわせてつくるコーナー部(仕口)の処理

ダンボールを貼り合わせてコーナー部分をつくるとき、フルートの小口を見せる場合はそのまま貼りあわせればよいのですが、見せない場合にはちょっと工夫が必要です。
小口を45度に切って貼り合わせる方法も考えられますが、 そもそも45度に切るのがむつかしい上、接着面積に不安がのこるので・・・こんな方法がおすすめです。
1・貼り合わせる相手のダンボールの厚み分だけ、ウラまで刃が突き抜けないように切り込みをいれます。ウラからみてスジが見えるようでは切りすぎています。一気に切らずに何度もカッターを入れるようにしましょう。
上手く切れたら皮一枚のこして端からピリピリ・・・とはがします。写真のようにフルートと直交方向にはがす方がカンタンで、 平行方向の場合は多少はがしにくくなります。
2・もう一枚と組み合わせて接着すると、コーナー部分からフルートが見えなくなります。
このとき、はがした巾が相手の厚みより短いとコーナー部分にスキマがあくので、若干長めのほうがキレイに納まります。
※注意!接着するとき、このコーナー部分でよくユビを切ってしまいます。気をつけて作業しましょう。
3・同じ方法でフタにあたる部分を製作して接着すれば、コーナー部分の完成です。
この方法で作ったコーナーは、キレイですが強度は弱くなってしまいます。強度を上げるためには中から補強をしてやる必要があるかもしれません。

この貼りあわせてつくるコーナーの方法と、折り曲げてつくる方法のどちらが良いかは、製作の目的によって使い分けることになります。
道具の扱いは事故やケガのないよう十分注意しておこないましょう!お互いに!ダンボールの切り口は意外とするどくて、切り口でケガをしたり、周りのものを傷つけたりするおそれがあります。ご注意下さい。体重をかけて使用するなどのダンボール作品の強度を超えた使用はとっても危険です。ダンボールといっても、つまりは紙ですから・・・劣化が確認できたものについては、使用をやめましょう。また作り直せばいいんですから。
以下おきまりごとです。
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